いよいよ来週になってしまった。
もう残り7日しかない。
来週の今日は、いよいよ本間さんの誕生日である。
準備をのんびり、そして粛々と続けてきた。
まず、花束を予約した。
誕生日花は「アルストロメリア」だったのでこの花は必須で入れてもらうことにし、「可能な限り白色をお願いします」と希望を伝えた。
「紫色の花も入れてほしいです(ユニフォームズボンの色だから)」
「かすみ草も入りますか?(ささやかだけど美しい存在感は本間さんっぽい)」
「青色の花が当日にあればぜひそれも…(ユニフォームのラインカラーである青も欲しい)」
ともお願いした。事前にスマホのメモで希望の要点をまとめておいたにも関わらず、武蔵中を構成する色の1つ「赤」について伝え忘れたことには、悲しいことに帰ってから気づいたのだった。まぁ、これは花瓶か何かで補えるはずだ。あまり色をガチャガチャ希望しすぎると、花屋さんも大変だろう。
そして次。迷いに迷っていたケーキについてどうするかを決めた。意思決定の結果については、タイトルに書いている通りである。ただしスポンジから作るほどの能力はないので、ケーキを構成するパーツを色々と購入して作りあげることにした。
ケーキのトップにオリジナルクッキーをデコレーションできないかな。
そう思ったが、結局長期間悩みに悩んでしまったため、覚悟を決めた3月上旬にはハイクオリティなアイシングクッキーの受注販売は当然、必然、軒並み4月末、人気のところであれば5月中旬までの受注を既に終了していた。つまりは、恐らくケーキ屋さんでケーキを頼もうとしたところで25日に間に合わせることも恐らく不可能だった。そしてこれは少し考えれば分かること。というわけで、これを書きながら思ったのは、私は悩んでいる時点で既に8割自力で何とかする意思をほぼ確定させていたわけだ。
話が逸れた。
幸いにも、ユニフォーム型のクッキーに簡単な文字入れをしてくれるうえ、サッカーボール型のクッキーまでもがついてくる「部活セット」クッキーを通販している個店を、なんと居住県内で見つけることができた。速攻で注文した。
24日の夜に我が家へ届く予定だ。
さて、ケーキのデコレーションには生クリームは欠かせない。色はうす紫にしたいと思った。武蔵中ユニフォームズボンの紫色が好きだし、本間さんが持っているそこはかとない上品さにもピッタリだからだ。しかし、はてさて紫色とは何から色を抽出すればいいのやら?
経験がないため分からない。うん年前に[テニスの王子様]の財前光君の誕生日か何かを祝うためにホットケーキを焼きまくり、それをデコレーションする用として彼の属する四天宝寺中学校のユニフォームカラー(緑色と黄色)の生クリームを作った時は、確か着色○号と書いてある着色料を使った。
やはり着色料の赤や黄色を調整して使うのだろうか?しかし、素人が着色料をそんなに巧みに操れるのか?ブルーベリージャムを混ぜたらどうだろう?
調べてみたところ色々と方法はあったが、最終的に「紫芋パウダー」なるものを混ぜることにした。自分が芋スイーツに目がないということもあるが、たくさん試作する時間もないので、単純にうまくいきやすそうなものを選んだのだった。
混ぜることにしたは良いが、この辺りで我が家は昔からお菓子作りに生クリームをほとんど使わない家庭であったことを思い出した。つまり、全自動で機械式の泡立て器が家の中にはない。家族全員、亡くなった祖母も含め、山ワン家はとにかく食べる量が多い一家だった。スイーツに関しても、当然見た目の可愛さ綺麗さよりも量を重視していた。母や祖母が作ってくれたケーキ類に生クリームのデコレーションがされていた記憶はほぼない。とにかく、ひたすら大きかった。
評判高いケーキ屋で確かな味のケーキを買ってきても、場合によっては「美味しいけど、少ないね」という感想に帰結していたくらいだ。
生クリームでデコる分の時間があるならとっとと食べたい、という意思が家族全員に共通していた。
というわけで、文明の機器を買うことにした。
慣れない人間が、腕の力を加減しなければならないアナログの泡だて器で生クリームを作れるわけがない。作れるのかもしれないが自信がなかった。
使いこなせるのか?という不安もあるが、形から入ることも大事ということで…。買った色は白のやつ。本間さんの静かな情熱は、白い色が魅せる豊かな陰影の中に揺らめいているので(何を言っているやら)
重要な土台となるスポンジケーキも取り寄せようかと考えたのだが、再三書いている通り我が家は食いしん坊一家。冷蔵庫・冷凍庫は常に満杯なため、取り寄せたスポンジケーキを25日まで安置しておく場所はない。
仕方ないので、これはもう当日にスーパーかどこかで購入することにした。
3月25日まであと7日。
しっかり誕生日プレゼントも準備した。あとは部屋を片付け、素敵にセッティングし、来週の今日お祝いするだけ。楽しみだ。